Member 09
総務部 酪農を支える人材育成課
2004年度入会
坂本 敬太郎 Sakamoto Keitaro
酪農場の実習生として、汗を流しながら
「酪農家になりたい」という強い想いが、芽生えた。
就農地や資金の確保に奔走するものの、願いはかなわず
道は閉ざされた。それが現在の、私の源泉。
将来はエンジニアをめざそうとスタートした学生生活でしたが、実際は、ヨット部の活動に明け暮れる日々。そんな毎日に疑問を感じて、北海道の酪農場に実習生として入るという選択をしました。
最初は、すぐにでも逃げ出したいと思いましたが、徐々に夢中になっていきます。
あらゆる知恵や経験を総動員して、いのちと向き合う酪農経営。
自分たちが怠けてしまえば成果は得られませんが、牛たちと真剣に向き合い飼養管理を工夫することによって、牛たちが健康になり、乳量が増えたりすることは、大きな喜びにつながります。
そんな難しさと手応えが同居する酪農経営に魅せられ、「酪農家になりたい」という強い想いを自覚するようになりました。北海道で3年を過ごした後、地元である九州に戻り、酪農家のもとで酪農業に従事しながら、酪農家への道を探ることになります。
しかし、当時は新規就農希望者に対する国や農業団体の支援や就農地の情報も乏しく、就農資金の調達にも目処が立たないことから、一度、違う立場で酪農に携わり、あらためて酪農就農を目指そうと考えて、興味のあった栄養学や飼料設計の知識が生かせる飼料メーカーや販売会社への就職に向けて動きはじめました。そんなとき、栄養学や飼料設計のセミナーで知り合った全酪連の方からの声かけもあって、入会を決意しました。
7年間酪農業に従事した経験のなかで、飼料の開発、供給、設計だけでは酪農家の経営を支えることができないと感じていました。全酪連は飼料を扱う購買事業のみならず、畜産事業、指導事業、生乳共販事業を合わせた4つの事業を中心に酪農家に寄り添った総合的なサポートを展開しています。私も様々な業務に関わりながら酪農業を絶やさずに、広げていく仕事に携わりたいと考えていました。
全酪連に入会した後は酪農生産現場を支える購買事業、畜産事業の職員として経験を積んできました。
福岡支所 購買推進課や南九州事務所 購買推進担当としての飼料の開発、販売業務。札幌支所 畜産課での搾乳用素牛の全国への導入斡旋や育成牛の北海道への預託業務。さらには購買生産指導部畜産課における全国各地の畜産事業の推進サポートおよび関連省庁との折衝業務などを担当してきました。
また、私が南九州事務所に所属していた2015年には、当時の全酪連専務理事によって招集された全酪連職員7名による「酪農施策検討チーム」が組織され、4つのプロジェクトが動き出しました。
そのうちの1つとなる、酪農業への新規就農を希望する人材の育成をサポートするための事業は、私自身も大いに関わりながら事業の骨組みを立案しました。2021年に策定された全酪連将来ビジョンでは「持続的な酪農生産基盤の構築」を新たなテーマとして掲げ、そのための具体的な取り組みとして、「酪農を支える人材育成事業(全酪アカデミー)」が加えられています。
2021年に私は、新設された「酪農を支える人材育成課」の課長として、酪農就農を志す方々を発掘・育成し、新規就農に結びつけることを目的とした事業を主管することになりました。また、この事業を推進するために設立された「一般社団法人全酪アカデミー」の事務局長を兼務し、研修生の採用および研修の実施、就農地の確保、賛助会員を募り事業理解を醸成する活動などに取り組んでいます。
酪農業の持続的な発展に寄与することは、酪農家を含む酪農業界の存立そのものに関わる課題であり、その担い手対策の重要性については、これまでも十分に認識されていました。
ただし実際の「人づくり」につながる具体的な施策が実施されることはありませんでした。
この10年間の酪農への新規就農者は、全国で毎年30戸ほどになっています。
これに対して、毎年500〜600戸が離農するという現実があり、新規就農者の育成・確保は、喫緊の課題といえるでしょう。2023年夏頃には、全酪アカデミーの研修生を最初の酪農家として送り出すことになります。その先にも、全国の賛助会員の協力のもと就農地の確保に努め、また研修・受入体制の充実を図って研修生を増やし、全国により多くの酪農家を誕生させたいと願っています。
AM:全酪アカデミー研修生との就農相談(Web)
PM:管理職会議
AM:事業説明会の資料作成
PM:出張の計画
AM:研修カリキュラム打合せ
PM:関東地区酪政連協議会総会 講演『全酪アカデミー事業について』
AM:日本政策金融公庫と就農資金の打合せ
PM:関東甲信越 酪農青年女性会議研修会 講演『全酪アカデミー事業について』
AM:全酪アカデミー研修生 教育カリキュラム(Web)
PM:アニメ制作会社との酪農アニメ企画について