Member 08
北福岡工場 品質管理課
2012年度入会
田中 誠 Tanaka Makoto
卒論のテーマは、東日本大震災で被災した
宮城県・閖上(ゆりあげ)地区の名産、赤貝のブランド化の研究。
漁港のみなさんや漁師さんとの交流を通して
生産者の力になりたいと考えるようになった。
学生時代は水産系の研究室に所属し、宮城県名取市の閖上地区の特産物である赤貝のブランド力を向上させるための研究に取り組みました。
かつて質・量ともに日本一といわれた閖上の赤貝を再興させる活動の過程で多くの漁港のみなさんや漁師さんたちと出会い、ヒアリングを重ねながら、交流を深めることができました。このような経験から、就職にあたっては水産系の食品メーカーを中心に活動を進めることにしました。そして、多くの企業を訪ねるなかで確信したことがあります。それは、生産者があってこその食品業界であること。
そんな生産者に寄り添い、彼らを支えるような仕事ができないかということでした。
そんなタイミングで出会ったのが、全酪連でした。酪農業の生産現場のサポートから、乳製品の製造・販売まで幅広い業容を擁する全酪連には、私自身の想いをかなえる場があり、成長を支えてくれる環境があると判断しました。
初任地の酪農部乳製品工場課では、乳製品販売の最前線と工場とをつなぐ管理業務を担当し、入会3年目には本会の乳製品工場であった狭山工場へ異動しました。
狭山工場では本会の主力商品であったプロセスチーズの製造をはじめ、オペレーター業務、生産管理業務を担当。関係部署と連携しながら、「いつ、何の製品を、どれだけ作る」という毎日の生産計画を作成するほか、生産実績管理や製品の在庫管理を行いました。また、狭山工場は製品数が多く、生産ラインも多岐に渡っていました。私はこうした各生産ラインの人員配置も任されており、適正な人員配置や合理的な生産が実行できる生産計画を作っていました。工場の経営に直結する仕事ばかりのため、日々責任を感じていましたが、自分が立てた計画どおりに物事がうまく運んだ時は達成感と充実感を味わうことができました。
2020年に岩手県二戸市の北福岡工場へ異動となりました。北福岡工場には大きく二つの役割があります。その役割の一つが脱脂粉乳やバター、クリーム、脱脂濃縮乳等の乳製品の生産拠点であることです。
私は北福岡工場で生乳の受け入れを行う原料課、脱脂粉乳・バターの製造を行う製造課を経験し、現在はこれまでの経験を活かし、品質管理課で受け入れる生乳や製造した製品の安全を確認する業務を担当しています。工場内の各部署を経験したため、それぞれの部署の職員とのコミュニケーションも深められ、原材料の受け入れから製品の出荷までの流れを一気に把握することがすることができました。
北福岡工場もう一つの役割は、生乳の需給調整機能です。
コロナ禍で全国の学校給食が休止となったとき、給食向けの牛乳の行き場がなくなり、乳業メーカーによる生乳の受け入れが滞る事態となりました。北福岡工場では1日3交代制のフル操業体制を整え、「酪農家の搾った生乳を一滴も無駄にしない」という意識で乳製品の生産に臨みました。業界全体がひとつになって生乳大量廃棄の危機を乗り越えた時、私は単なる乳製品工場で働いているのはなく、日本の酪農を守る工場で働いているのだと実感しました。
酪農家から預かった生乳を無駄にすることなく、安全・安心な製品を、確実に消費者に提供することは、北福岡工場にとっての「あたりまえ」かつ「最大の使命」です。
それを可能にするためにも、工場内のあらゆる設備が健全な状態に保たれ、各部署間の連携や工場全体のシステムをより強固で確実なものとしていく必要があります。
品質管理の仕事についても、生乳や製品の検査をただ淡々とこなすだけではなく、工場内の各工程に対してアクションできる品質管理でありたいと考えています。酪農家の思いが詰まった安全で高品質な乳製品を送り出すために、それぞれの工程が抱える課題を抽出し、それぞれの担当と一緒になって考えられるようになりたいと思うのです。
全酪連に入会後、乳製品製造に関わる全てを経験してきた私だからこそ実現できる「酪農家の思いをより多くの人へ届ける工場」を目指して、これからも技術と知識を積み上げていきます。
出勤、作業着に着替えて、当日の予定を確認
課内での朝礼、連絡事項や作業分担を共有
検査業務、当日の担当検査を進める
昼食。愛妻弁当をいただきます!
担当検査および事務作業
検査機器のクリーニング、検査室内の清掃
退勤