Member 05
購買生産指導部 酪農技術研究所
2014年度入会
村山 恭太郎 Murayama Kyotaro
動物が好きで、野生動物の研究をしていた。
東日本大震災の後、警戒区域内の家畜の調査を経験。
はじめて本格的に牛に触れ、牛への興味が広がった。
「指導購買」という言葉が、入会の決め手だった。
研究開発担当として、主に子牛用の飼料・資材の開発を担当しています。
子牛は、母牛の初乳(最初に搾られる生乳)から免疫を獲得します。この初乳と同じはたらきを持つ「代用初乳」をはじめ、その後の生育を支える「代用乳」、離乳前後に与える「スターター」と呼ぶ固形の離乳食の開発が、私のミッションです。
最新の情報を収集し、新たな資材のコンセプト案を策定。
その効果を検討・実証するための試験計画を立案し、採血などのサンプリング、試験データの集計・解析を経て、新たな資材が供給されるまでの一連の業務に携わっています。
また、大学や都道府県などの公設試験場と共同で研究を行うこともあります。
製品化までには、数年の歳月を費やすことも稀ではありません。
動物相手の仕事なので、自分が思い描いたような結果が得られないことも多々あり、そこに、この仕事の難しさがあると感じています。たとえば、この餌を与えれば血中の数値がこう変化するだろうと予測するものの、思うような値にならないことがあります。
しかし、これを単に失敗と捉えるのではなく、新たな解明の機会と考えて突き詰めていく。
研究とは、そういうものなのだと考えています。
現在、取り組んでいる新たな代用初乳の開発でも、想定外の結果に怯むことなくさらに調査や検証を重ねて、大きな壁を乗り越えることができました。
私たちの調査で、子牛の3〜4割が初乳による免疫の獲得ができていないことがわかっています。
開発中の代用初乳の品質を向上させ、免疫をより高いレベルで獲得することができれば酪農業の生産性を高め、業界全体の成長につながるはずです。このように酪農業全体に大きな影響力のある製品の開発に取り組めることに、やりがいを感じています。
昨年度から本会の支援も受けて、社会人学生として大学院の博士課程で学んでいます。
修士までは野生動物の研究をしていましたが、いまは牛の栄養生理という、業務に直結する専門性の高い分野で研究を進めているので、その成果をいかして酪農家のみなさまの経営の向上や業界全体の底上げにつながるような飼料や資材を提供できるようになることが目標です。
また、研究開発という視点ばかりではなく、本会の内外にネットワークを広げ、互いのコミュニケーションを深めながら、多くの人々から信頼され、認められる存在になりたいと願っています。
出勤
メールをチェック、当日の行動予定を確認、業務の準備
ミーティング
各部門の予定を共有
試験のサンプリング
5頭の子牛から採血
昼休憩
仕出し弁当を食べた後は休息の時間
デスクワーク
最新情報の収集や検討、データの集計・解析・報告書の作成など
退勤