酪農業の厳しさを知り、
牛たちと真摯に向き合うことで
存在感を示したい。

Member 02

購買生産指導部 酪農技術研究所

2019年度入会

信太 萌夏 Shida Moeka

中学校の農業実習で酪農を経験。搾乳を楽しみ、
分娩を見守り、いのちの誕生に一人感動していた。
大学で畜産を学び、酪農業の厳しさも知った。
酪農家を支え、大好きな牛と向き合える仕事を選んだ。

生産牧場として、
安定した生乳の生産に取り組む。

私は現在、本会研究牧場の子牛、育成牛、搾乳牛の飼養管理全般を担当しています。哺乳、搾乳、給餌、牛舎の清掃から、TMR(混合飼料)の調製、除角などを行います。 また、人工授精や妊娠鑑定などの繁殖業務も、私たちが担う大切な仕事です。研究開発担当の依頼に応じて、体格測定や採食量の記録、生乳サンプルの採取なども行っています。
つねに心がけているのは、牛たちをよく観察すること。
すべての牛たちに目を行き届かせて、それぞれの牛の状態を把握するように努めています。
たとえば発情行動を見逃してしまうと、授精のタイミングを逸することになりますし、成長が遅い牛がいれば、必要に応じて給餌内容の対策を講じる必要が生じます。
私の勤務地は研究施設であると同時にひとつの生産牧場でもあるため、安定的な生乳生産を実現することが、私の使命です。
そのために、より多くの知識を身につけ、多くの経験を重ねる必要があると感じています。

牛たちのすべてのステージに関わり、いのちをつないでいく仕事。

私たちが扱う飼料や資材は、重い物では50kg以上にもなるため、扱うのは大変な作業でした。当初は、女性だからできなくても仕方ないと言われることが悔しくて無理をしていましたが、先輩の一言から気づきを得て、新しい方法を提案しました。
重機を用いて運搬したり、作業を自動化する機械を導入することによって、無理なく作業をこなすことができるようになったのです。担当する業務に自分なりのアイデアを注ぎ、より効率的な方法を見出すことの大切さを知りました。
昨年度からは繁殖業務も担当するようになりました。受胎しなければ、搾乳牛として牧場に残すことができないため重要な仕事になります。妊娠鑑定で胎児を確認し、やがて元気な子牛が生まれたときには、新たないのちに出会えた喜びとそれを支えることができたという達成感で、胸がいっぱいになります。受胎と分娩に立ち会い、子牛の成長を見守り、搾乳牛として活躍する姿が見られることが、私にとって大きなやりがいとなっています。
私たちが担うのは、牛たちのすべてのステージを管理し、いのちをつないでいく仕事なのです。

牛たちと向き合い、
そこで感じることを大切に健やかな成育と繁殖を支えたい。

これからは、牛たちの繁殖成績を向上させることに、より主体的に取り組んでいきたいと考えています。それまで外部に委託していた授精を、自ら手を挙げて経験し、人工授精の技術を習得することができました。次のステップとして栄養学の知識を身につけ、飼料設計(牛の餌のレシピの作成)にも挑戦したいと思っています。乳牛の飼養管理において飼料設計は、乳量や乳質、疾病の回避や繁殖成績の向上に直結する重要なものです。
特に、繁殖業務に携わるなかで、くやしい淘汰を経験し、飼料設計の大切さとその課題を身をもって実感してきました。牛の状態を見ながら、与えるべき飼料の成分を検討し、その適切な配合を調整することで、健やかな牛たちの成育と繁殖を支えたいと思います。

1日のスケジュール

  • 05:25

    出勤 

  • 05:45

    搾乳 
    その後に放牧、牛舎内清掃、繁殖業務など

  • 08:15

    休憩

  • 09:30

    ミーティング 
    各部門の予定を共有

  • 09:40

    牧場内作業
    集牧(放牧していた牛を牛舎に戻す)
    給餌

  • 11:15

    休憩 
    自宅に戻り休息をとることもある

  • 15:00

    デスクワーク 
    この時間に繁殖業務、給餌なども行う

  • 16:45

    搾乳

  • 18:30

    退勤

*上記は、搾乳担当として過ごす日のスケジュールです。

就職を考える皆さんへ

就活に臨むときの考え方は、人それぞれだと思います。私のまわりにも、自分がやりたいことよりも、有名な会社、評判のいい会社に入ることを優先して考える人たちがいました。しかし私自身は、好きなこと、やりたいことを仕事にしたいと考え、着飾った言葉を並べて評価されるのではなく、自分の想いを正直にぶつけました。そうして採用していただけるところが、自分に合っているはずですし、自分を必要としてくれる場所だと考えました。そのほうが、入った後のギャップを感じることなく、自分らしく働くことができるのではないでしょうか。