(令和7年2月10日発表)
<購買生産指導部 購買推進課>
北米コンテナ船情勢 | 北米西海岸航路では主要の乗継航路を含めて本船スケジュールに乱れが発生しています。1月7日にはロサンゼルス近郊で大規模な山火事が発生しましたが、近隣のロサンゼルス/ロングビーチ港への影響は出ていません。一方で北米西海岸北部では寒波や悪天候が続いており、内陸からの貨車の遅延や道路の通行止めが発生しています。
また、日本全国の港では年末年始期間に荷役作業が行われなかったため、乗継港の釜山で一部の貨物が滞留し本船への積替作業に時間を要したことで、スケジュールの乱れに拍車を掛けています。この乱れは中国の旧正月以降も続くと予想されており、海運情勢の安定までには時間がかかる見通しです。 米国ではトランプ大統領就任後、メキシコ、カナダに25%、中国に10%の追加関税措置の発動を表明し、メキシコ、カナダでは、両者合意に至ったことで1ヶ月間の関税停止となりましたが、中国には追加関税を賦課することとなりました。中国からも報復の関税措置があり、今後、米中の貿易摩擦が激化する恐れや各国から更なる駆け込み需要もあるため、動向を注視する必要があります。 |
ビートパルプ | 産地では24―25年産のビートパルプの生産と製糖作業が続いており、5月中~下旬まで続く見通しです。産地での出荷は引き続き好調で、在庫も例年よりも少なく推移しています。 |
アルファルファ | 1月に引き続き、米中の対立による関税措置を危惧して、中国向けの出荷は増加しています。今後も需要が継続するかは不透明ですが、25年産の価格に影響を及ぼす可能性もあるため、動向には注視が必要です。
カリフォルニア州南部インペリアルバレーでは、好天が続いており早い圃場では25年産の生産が始まっています。灌漑局の発表によると、1月15日時点でのアルファルファの作付面積は148,072エーカー(前年同期は146,446エーカー)で前年同期比101%と増加しています。 2024年の全米乳価は国内肥育相場が高値で推移し、肉の需要が供給に追いついていないことで、搾乳牛が肥育向けに出荷、淘汰されており、生乳需給の均衡が崩れたことが乳価上昇の一因となりましたが、現在やや軟化しています。 |
米国産チモシー | 24年産の生産は終了しています。産地では順調に出荷が進んでおり、多くの産地在庫は売約済となっています。農林水産省・植物防疫所から発表された輸入統計によると、24年1-12月における米国産チモシーの輸入量は279,824トンとなっており、23年に比べ、およそ34,000トン(前年245,659トン)増加しています。
25年産の作付面積について、チモシーより換金性が高いとうもろこしや大豆といった他作物に転作することが予想されていましたが、市場も好調に推移していることもあり、増加する見通しです。 |
スーダングラス | 24年産の生産量が大幅に減少したこともあり、一部の輸出業者が抱えていた22年産や23年産の旧穀在庫も解消に向かっています。このため、中~低級品を中心に需要が増加しています。しかしながら、22年の価格高騰前のような堅調な需要ではないため、供給力に懸念はないと思われます。
また、旧穀在庫が解消していることもあり、25年産の作付面積は今後の荷動き次第では24年産対比で並~増加すると予想されています。 |
クレイングラス | (クレインは全酪連の登録商標です)
灌漑局の発表によると、1月15日時点の作付面積は22,906エーカー(前年同期21,330エーカー)となっており、前年同期比107%と増加しています。生産農家はDIPによる補助金を得るか夏場に牧草生産を行うか、収益性の高い方を選択するため、25年産の生産量はDIP次第で左右されますが、多くは補助金を得る選択をするのではと予想されています。 需要については、先月に引き続き韓国向けは堅調に推移しており、在庫も品薄となっています。 |
バミューダ | 24年産の生産は終了しています。灌漑局の発表によると、1月15日時点の作付面積は77,110エーカー(前年同期:66,502エーカー)前年比116%と増加しています。種子相場も良く、馬糧向け需要も堅調に推移していることから、25年産でも作付面積は増加する見通しです。 |
ストロー類(フェスキュー・ライグラス) | 主産地であるオレゴン州ウィラメットバレーでは、24年産の収穫は終了しています。日本向け出荷は低調に推移していますが、韓国向けは先月に引き続き堅調に推移しています。 |
カナダ産チモシー | 主産地であるアルバータ州中部クレモナ地区、南部レスブリッジ地区では1月は例年並の気温が続きましたが、2月に入り氷点下10℃~20℃の予報となっており寒い日が続く見込みです。降雪により出荷スケジュールが遅延する可能性もあることから注視が必要です。現在、カナダ国内向けには輸出需要が減退した2番刈を中心に取引されています。
25年の作付面積については競合作物の相場も低迷していることもあり、大きな増減はない見通しです。 |
豪州産オーツヘイ・ウィートストロー | 24年産オーツヘイの収穫作業は終了しています。生育期間の降雨状況は地域により異なりましたが、全豪を通して上級品の発生は少なく、低級品も限定的となったことから、在庫の確保に苦慮している輸出業者もいるようです。
ウィートストローについて24年産の収穫作業は概ね終了しています。生育期間中の猛暑や降雨により、輸出向けの品質は西豪州に限定される見込みです。 日本向け需要は依然として低調に推移していますが、中国向けでは旧正月や米中貿易摩擦の前倒しにより増加しています。 |
豪州コンテナ船情勢 | 豪州では、熱波と嵐により物流面や本船スケジュールに大きな影響を与え、メルボルン出港の本船で最大1週間の遅延が発生しています。更に積替港であるシンガポールや東南アジアの各港では中国の旧正月により更なる混雑が続く見込みです。 |