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らくのうこどもギャラリー

第50回(令和6年度年開催)

全国酪農青年女性会議と本会の共催による「第50回らくのうこどもギャラリー」に全国より255点のご応募を頂きました。厚く御礼申し上げます。
作品の審査については、昨年に引き続き宮島径先生(写真家:東京藝術大学美術学部卒業)と浅野智先生(美術家:東京藝術大学大学院研究科絵画専攻修士課程修了)にお願いいたしました。


全体の作品について 宮島 径 及び 浅野 智

今年も「らくのうこどもギャラリー」に多数ご応募いただきありがとうございます。本年度は、ギャラリーの開催第50回の節目の年です。心からお祝い申し上げます。
 今年の総応募数は、昨年の倍に近い255点もの作品が寄せられました。ちぎり絵のような細かな紙を張り巡らせた作品、ドロッピング(インクを飛ばす技法)によって幾重にも色を重ねた作品、漫画のようなキャラクターを押し出した作品、スポンジに色を含ませスタンプを施したパターンを感じさせる作品など、意欲的な作品に目を奪われました。特に年少さんの作品は、溌剌とした元気さを感じる作品が多く、充実していたと思います。
 そんな中で第50回記念にふさわしい特選に選ばれた作品は、菊地遥空くんの「元気な牛」でした。清々しい青空をバックに描かれた元気な牛に、一瞬で心を掴まれました。親しげにこちらに近づき何かを語りたがっているかのような牛さんの表情が印象に残りました。入選1の藤谷桃音さんの「乳牛の親子」は、絵の構成力、バリエーション豊かな筆先の丁寧な描写、色彩感覚に溢れる画面など、完成度の高い作品に感心しました。入選2の榎本美幸さんの「双子のツーショット」は、色鉛筆で描かれた牛さんの正確なデッサン力が優れていました。またタイトルにふさわしい説得力ある画面構成も良かったです。上位3点は、どれも力強く魅力に溢れる作品であり、僅差であったと思います。
 ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルによるガザ地区の戦闘、パンデミック後の円安と物価高騰による生活困窮、2024年元旦の能登半島地震など、国の内外で先の見えない不安定な今日ですが、絵画をはじめ芸術といった人の心を扱う世界においては、せめてもの平穏や自由な発想を保ちつつ、お互いを尊重できる環境を作っていきたいものです。
 最後になりましたが、「らくのうこどもギャラリー」に仕事場を解放し牛さんとの触れ合いの機会を提供していただいた酪農家の皆様、各地域でご協力いただいた関係者や保護者の皆様、ご指導いただいた美術の先生方に深く御礼申し上げます。来年も多くの魅力的な作品に出会えることを審査員一同楽しみにしています。


特選

入選


       

秀作

ファミリー賞

あすなろ賞